2013年9月15日日曜日

オリビエ・ジルーはいかにしてゴール前を改善できるのか(追記)

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開幕から調子のいいジルーについてのコラム()

巧みなフリック、イブラヒモビッチのような腰の回ったシュート、力強いヘッド、ゴールキーパーをかすめるハーフボレー、チップキック、ボックス端からの巻いたシュート。オリビエ・ジルーのプレシーズンマッチのゴールはバラエティ豊かで印象的だ。そしてそれは彼が試合中に最も必要とされている役割の1つであるフィニッシュが改善されていることを示している。昨シーズンジルーはリーグ戦で11ゴール(全ての大会では17ゴール)をあげた。前線の4人で得点を分担していることを考えると立派な数字である。けれどデータを深く掘り下げていくとジルーは17得点を上回っていたかもしれないのである。

リーグ戦であげた11ゴールはゴール成功率では10.3パーセントだった。トップクラスのストライカーの成功率は17-8パーセントが標準とされていることを考えると良くない数字だ。(この文脈で語るとジルーは10ゴール以上あげたストライカーで最悪の効率であり、リーグで10番目に低い。偉大なるカールトン・コールやアンディ・キャロルと肩を並べている)

彼のシュートをさらに区分化していくと、我々はジルーがいかにボックス内で偏っていたかを理解できる。昨シーズン彼はボックス中央エリアで64発のシュートを放ち(図1)9度ゴールを決めたが成功率に換算するとわずか14パーセントである。

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図1 ジルーがどこからシュートしているか:予想通りシュートの大半はボックス中央からだ。しかし分析はジルーがでたらめにあちこちからうっていることを示している。鍵となる数字は彼がボックス中央からオンターゲットした頻度だ(64回中33回)そしてそのエリアでのゴール成功率はたったの14パーセント

 

次にグラフィカルにジルーのシュート場所を見ていき、ジルーがどのように改善されうるのかを目立たせてみる

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図2 ゴール:黄 オンターゲット:青 オフターゲット:赤 ブロックされた:灰 (全てのシュートを記載しているわけではない)

一言で言えばジルーがフィニッシュを精度を改善するためにもっと冷静にならなければいけないのは明らかだ。そういうわけで彼のプレシーズンマッチの成績はとても望みがもてるものなのである。というのもシュートの種類が実に多様だからだ。インドネシアチームとの試合でくるりと向きを変えてゴールを決めた後など、ベンゲルでさえ大喜びを隠せなかった。もしも彼が得点記録をよくしようとするならばこの類の器用さこそ示していかなければならないものだからだ。

それは間違いなくジルーについての誤解の1つだ。彼をみると読者は上手いフットワークを想起はしないだろうが、その技術こそが彼が成功をおさめるために特化することなのである。彼がアーセナルと契約した時、ジルーはアーセナルの攻撃に新たな次元(高さ)を加えるだろうと考えられていたし、彼は実行可能なプランB(放り込み)であるけれど、同時にヘディングシュートは彼の悩みのたねでもある。

我々は下図から次のことが分かる。実際のところジルーの足を使ったシュートは悪くない。もちろん彼のシュートの多くが観客席に飛んでいるがオンターゲットの時は得点にならなくてもコーナーキックを獲得できている。

だがこれにヘディングシュートを重ねると、彼のヘッダーはしばしばゴールキーパーに直接キャッチされている。これはコーナーキックを得られないからだけでなく、ジルーの得点チャンスを40パーセントにまで下げてしまっているのだ。

ジルーのヘディングシュートが困りものなのは、それらがシックスヤードボックスの外側から放たれることが多いからだ。スタッツボムの著者たちは、事実ヘッダーは通常のシュートよりも得点の可能性があることを示している。というのもそれらはよりゴールに近い場所で生じるからだ。けれどジルーは頻繁にシックスヤードボックスの外側からヘディングシュートをしている。ジルーの動きが良くないのか、アーセナルのスタイルがヘディングシュートに適していないのかのどちらかのために、彼は相手ティフェンスから避けるためにはるかにゴールから離れた場所でヘディングシュートをしなければならないのだ。

ところでジルーのシュートについて分析する良い点は彼のなす動きを理解する一助になる所だ。概してゴールを横切るシュートや低いクロスに合わせるために身体を開くことができるようにボックスの左側に滑りこんでいくことを好む。右サイドの話になると、動きは左の時と似ているがより足でシュートをうつことをためらいがちだ。代わりに空中戦で良い脅威になっている。繰り返せばマーカーの前でボールをもらい、ゴールに押し込むことになるだろう。

ジルーは19回のキーパーと一対一の場面を外したという統計がある。ヘディングシュートとそれ以外の比率は定かではないが、少なくともジルーはそれだけのチャンスを作れる手慣れたチームメイトとともにプレイしている。ロビン・ファン・ペルシでさえ決定機をジルーより多い23回不意にした。

ジルーは順調に進化しつつある。

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